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概要
| 開発 | 日本ファルコム |
| 販売 | 日本ファルコム , プロジェクトEGG |
| プラットフォーム | スーパーファミコン , Windows (プロジェクトEGG) (このレビューは「プロジェクトEGG版」をもとにしています) |
| リリース | 1995年12月:スーパーファミコン 2010年11月:Windows (プロジェクトEGG) |
| ジャンル | アクションRPG |
「イースⅤ」は1995年にスーパーファミコンで発売されたあと、1996年にゲームバランスを調整した「イースⅤエキスパート」が同じくスーパーファミコンで発売され、2006年にはストーリーを大きく変更した「イースV -Lost Kefin, Kingdom of Sand-」が、開発:株式会社アクセス、販売:タイトーでPlayStation2用に発売されています。
その後、2010年に最初のスーパーファミコン版「イースⅤ」をWindows用にエミュレートしたものがプロジェクトEGGから配信されています。
このレビューは「プロジェクトEGG版」をUSBゲームコントローラを使ってプレイした感想です。(内容的には一番最初に発売されたスーパーファミコン用「イースⅤ」と同じはず)
君は、アドル=クリスティンという
日本ファルコム公式サイトより
名前を知っているだろうか?
アドル=クリスティン――今をさかのぼること千と数百年前の昔
エレシア大陸の西端、エウロペ地方の北東に位置する、名も知れぬ小さな山村に生まれ
16才の時より、63才にして消息不明になるまで
エウロペを中心とした海外諸地域を旅してまわった勇猛果敢なる冒険家である。
イースシリーズ第5弾
赤毛の冒険家アドル=クリスティンが砂漠にある伝説の都「ケフィン」を探して冒険するアクションRPG
キャッチコピーは「最後で最初のイース」

著者:おたむん
2024/10/31

日本ファルコムさんのソフトは「Brandish」シリーズが大好きでマウスをいくつもぶっ壊すほどやりこんでいたのですが、その他のタイトルは英雄伝説シリーズを少しと単発タイトル(「ぽっぷるメイル」や「ZWEI!!」など)をいくつかプレイしたくらいでした。
ある日突然「そうだ!イースしよう!」と思い立ってイースシリーズを順にプレイすることに。
1・2はDMMゲームズさんで「イースI&IIクロニクルズ」をプレイ。
3はPS4の「イース・メモワール -フェルガナの誓い-」を
4は同じくPS4の「イース セルセタの樹海:改」をプレイしました。
そして満を持してスーパーファミコン版「イースⅤ 失われた砂の都ケフィン」のProjectEGG版をPCにてプレイ。
スーパーファミコンのソフトも所持していますが、本体を引っ張り出すのはなかなか骨が折れるので断念。もともとProjectEGGさんの会員でもあったのでこちらでダウンロードすることにしました。
今回PC用に新たにSFCタイプのコントローラも購入し、テレビにつなぐHDMIケーブルも準備 PCでSFCのソフトをプレイするのは初めてでしたが、特に問題なくプレイできました。
基本評価
| グラフィック | スーパーファミコンクラスでは十分綺麗 建物の描き分けが細かく見応えがある フィールドでは移動範囲や高低差が分かりにくいところも | |
| サウンド | BGMがよい 種類が豊富でフィールドでも町でもそれぞれに違うBGMがあり聴き飽きない 特にオープニングの曲がよい | |
| ストーリー | 世界観や没入感は良かった。プレイ後振り返ると、もう少し、敵側の人間の心情を知りたかった感は残る | |
| システム | 魔法の使えなさが残念。アバランチロックしか使わなかった。魔法が役に立つ場面も少ない。魔法レベルを上げる意義を感じられなかった | |
| 操作性 | 動きは概ね良好。飛行する敵に攻撃を当てるのが少し難しい。メニューアイコンの操作方向が自分の感覚とは逆だったので違和感を感じた |
・グラフィック






スーパーファミコンのRPGの標準的なグラフィック とはいえ今プレイしても違和感なく楽しめる
全体的に少し落ち着いた色味で目に優しい
フィールドの表現は、通れるところと通れないところが少し分かりづらい箇所があった 特にジャンプで滝の小島を渡っていくマップではジャンプ先の高低差が分かりづらく何度も滝壺まで流れ落とされた
町・村ごとに特色があり、描き分けられている 没入感という意味では良い出来だと感じる
・サウンド
相変わらず日本ファルコムさんはBGMが素晴らしい。直前にやっていたのがPS4のイースシリーズなので見劣り(聴き劣り?)するかと思っていましたがそんなことはなく、レトロ感のあるスーファミサウンドはそれはそれで良かった。町や村ごとにそれぞれ違うBGMや、ダンジョンの緊迫感のある曲ももちろん良かったが、一番はやはりオープニング。ずっと聴いていられる
・ストーリー
あらすじ
船でサンドリアの港に着いたアドルは、町の有力者「ドーマン」の依頼で、幻の都ケフィンを探す手がかりとなる6つの結晶を探すことになる。ドーマンはケフィンの錬金術の力を使って、人々のため地域の砂漠化を止めたいというが…
各地の洞窟や遺跡を巡って結晶を集めるうちにイーブル一家やニーナ、マーシャと知り合い、ニーナの育ての親スタンがアドルより前に結晶を探していて行方不明になっていることや、ケフィン王国と錬金術の秘密、ドーマンの真の思惑などが明らかになっていく。
すべての結晶を集めたとき、ドーマンとその背後にいる者の企みがあらわになり、そして舞台は砂の都ケフィンへ。
ストーリーの流れは個人的に大好きな冒険活劇。映画のインディージョーンズのような、お宝探索からの裏切り、からのどんでん返し。前半は結晶を探してボスモンスターと戦闘し、結晶を入手の繰り返しだが、それぞれの場所に特色があり飽きることはなかった。後半はケフィンの力を手に入れようとする人間との戦いが多くなり、雑魚敵もボスも人間が多くなってくる。
登場人物に魅力的な人間が多かったのは確かだが、一人ひとりの掘り下げが足りなかったようにも思う。敵も味方もそれぞれの思惑があって動いているが、その背景がぼんやりしていて想像で補完することも多かった。まあ、スーパーファミコンというハードの容量の限界かもしれないが、せめて敵側の、ことを起こすほどの強い思いを見せてほしかった。
人間関係の薄味さ加減は気になるものの、冒険活劇部分は大いに楽しめた。遺跡探索は楽しい。
・システム
魔法システムが残念。これに尽きる。
武器で敵にとどめを刺せば武器経験値が、魔法でとどめを刺せば魔法経験値が上がり、それぞれ武器攻撃レベル、魔法攻撃レベルが上がるのだが、とにかく魔法攻撃が使いづらい。最初に覚える「アバランチロック」以外の魔法はボタンを押してから発動までのタイムラグが大きく、発動する頃には狙っていた敵は射程範囲から出ていることが多い。また、多くのボスモンスターとの戦闘では魔法攻撃が使えないのも残念。
エレメンタルを集め、3つの属性の組み合わせで魔法を作るシステム自体は面白いのに、もう少しどうにかならなかったのか。また、属性による敵との相性などもほとんど感じられず、結局最後までアバランチロックしか使わなかったし、実際それすらも必要なく、武器攻撃レベルを上げていくだけでクリアできそうな気がする。
一つの武器に魔法を3つセットでき、ボタン一つで切り替えられるシステムは良かったと思う(魔法がもう少し使い物になれば)。また、「装備」「アイテム」メニューを呼び出したり「クイックセーブ」をするためのメニューアイコンシステムも視覚的にわかりやすくてよかった。
武器防具類は少し種類が少なく感じた。店ごとに売値が違ったり、換金アイテムの買い取り価格が違ったりするのは賛否両論だと思うが、個人的にはどこでアイテムを買うのか、換金アイテムの売却をどこでするのかを考える余地があってよかったと思う。
・操作性
武器の射程が短く、敵に攻撃が当たりにくい。飛行する敵に横から攻撃するとヒットする位置がわかりにくく攻撃が当たらない。このあたりを除けば概ね良好。完璧には少し足りないくらい。
移動は縦横斜めに動けるが、ジャンプは縦横だけなのでもどかしい。移動速度はちょうどいい感じ。
メニューでの操作はスムーズ。アイテム欄で一番下から一番上に戻れればなおよかったが、まあ慣れれば気にならない。
気になったのはメニューアイコンの操作の向き。どうも自分の感覚とは逆方向(十字のメニューアイコンの上にあるメニューを選ぶのに上ボタンではなく下ボタンを押す、左のメニューを選ぶのに右ボタンを押す)に感じたのだが、一般的にはこれでいいのか?毎回、ちょっと考えてから操作していたので少しストレスを感じた
良かったところ
・音楽
イースシリーズ全般ですが、音楽がよい。他のシリーズと比べると少し地味な感じもしますが、こういうのもいいと思います。スーパーファミコンの音源ですが、オーケストラにするといいんじゃないかな。CDは買ってないけど。
・ドラマチックな冒険活劇
お宝探して、洞窟や遺跡を探索する。そこに記憶喪失の女の子や、邪魔をしてくる盗賊一家、裏の顔がありそうな依頼人なども絡んできて、映画のようなワクワク感。そして時空を超えた伝説の都ケフィン。その力を復活させようとする秘密結社など映画のようなストーリー展開でした。
・多彩なマップ
草原、砂漠、遺跡など様々なフィールドがあり、また特色ある町があり、それぞれにあったBGMもあいまって飽きることなく冒険できました。フィールドでも少し考えなければ進めない場所や、到達ルートを考えさせられる宝箱などもあり、かといって難しすぎずちょどよいバランスだったと思います。
気になったところ
・魔法が役に立たない
せっかく、数多くある魔法ですがあまりにも使い辛かった。最初に強制的に覚えることになる「アバランチロック」は速射できる炎の魔法で問題なく使えるのですが、それ以外はAボタンを押してからのタイムラグが大きく、敵に当てにくい。また、Rボタンを連打して「気力」を100まで貯めないと魔法が打てないのでとっさには使えない。さらに、なぜか結晶の近くでは魔法を使えないという謎設定のため、多くのボス戦で魔法が使えない。魔法でなければ、という場面もほぼなかった(一部、光属性を含んだ魔法でしか倒せない雑魚モンスターがいますが、必ずしも倒す必要はない)ので、たぶん、魔法レベルを一切あげなくてもクリアできるんじゃないかな。結局武器攻撃でのゴリ押しになってしまう。
・進める道が分かりにくい箇所がある
フィールドやダンジョンにはジャンプで進む箇所があるのですが、進める場所と進めない場所、ジャンプで進める場所が分かりにくいところがいくつかあった。
・敵キャラクターの掘り下げ不足
アドルの前に立ちはだかる敵キャラクターたちの思惑があまり示されないというか、想像はできるんだけど思い入れの強さが伝わってこない感じを受けました。もう少し、熱く語ってくれても良かった。
総評
万人におすすめできるほど素晴らしかった!と言えるほどではないのですが、イースの世界観をコンパクトにまとめた感じ。イース入門用としては良いのではないでしょうか。実際、遊んでいる間は夢中になりましたし、魔法システムの残念さはありましたが、アクションRPGとしては違和感、不満もなく満足できました。
話の展開も個人的にはすごく好みで、小さな依頼がやがて大きな陰謀に巻き込まれ、やがて世界の危機を救うことになる。しかも謎の古代遺跡。映画インディー・ジョーンズが好きな人はハマるんじゃないかな。
キャラクターもそれぞれ味があり、盗賊イブール一家やニーナ、マーシャ、スタンなど味方側のキャラクターが生き生きとしている。対して敵側のキャラクターはもう少し掘り下げて欲しかった。
今回はアドルは遭難も記憶喪失もないのね、……と思っていたら、やっぱり遭難してました。

